放射冷却現象とは?どうして冬に多いの?
寒くなってくると、テレビの天気予報でよく、「放射冷却現象により冷え込むでしょう」と言っているのを耳にします。
この放射冷却現象とはいったいどういった現象のことなのでしょうか?そして何故冬によく聞くのでしょうか?
この「放射」とは、熱の放射のことです。
言葉にすると難しいですが、誰でも経験している身近な現象なのです。
例えば、温かいコーヒーがあるとします。このコーヒーは淹れたては温かいですが、だんだんと冷めていきます。これは、温かいコーヒーから、温度の低い周りの空気に熱が放射されているからなのです。
これと同じことが地球でも起こっています。
つまり、昼間のうちに太陽によって温められた地面から、夜の間に熱が空中へ放射されているのです。しかし、空中には水分等の色々な物質があり、それが多ければ多いほど上空から宇宙へと放射される熱が逃げにくくなります。
また、雲があれば、雲が熱を吸収し、吸収された熱の一部は地面へと放射されますので、放射冷却による冷え込みが緩やかになります。
すなわち、放射冷却が起こりやすいのは、
①空気の湿度が低い
②雲がない
ことが条件となります。
この①②が同時に起こりやすいのは、乾燥した冬晴れの日ということです。
さらに、一日の内で最も気温が低いのは、太陽が沈んでから最も時間が経った早朝であるため、乾燥した冬晴れの朝が放射冷却により冷え込みが厳しくなるということです。
これからの季節、朝は気温が下がることを前提に温かくして眠るようにしましょうね。
余談ですが、砂漠の夜は冷え込むと聞いたことはありませんか?これも湿度が関係していて、砂漠は乾燥しているため放射冷却により熱が逃げやすく夜は冷える、ということなのです。